
長年厳しい批判にさらされてきたテザーは、ついにビッグフォーの監査法人と正式契約を結び、USDTの財務報告の監査を開始しました。これは、同社の透明性向上に向けた重要な一歩と見なされています。
過去、テザーへの攻撃は主に独立した完全な監査の要求に集中していました。2021年、CFTCはテザーに対し、誤解を招く発言により4100万ドルの罰金を科しました。ニューヨーク州検事総長は、テザーとビットフィネックスが約8億5000万ドルの損失を隠していると非難しました。これらの出来事は、定期的な証明(アテステーション)では完全に払拭できない信用の傷跡を残しています。
しかし、圧力にもかかわらず、USDTは力強く成長を続けており、時価総額は1840億ドルを超え、利用者数は5億500万人を突破しています。これにより、世界中の暗号市場で主要な流動性層となっています。
テザーのCEO、パオロ・アルドイノは、長年にわたりビッグフォーの監査法人に全面的な監査を依頼しようと努力してきたと述べていますが、米国の政治・規制環境がこれを非常に困難にしていると語っています。2025年3月、テザーはサイモン・マクウィリアムズをCFOに任命し、全面的な監査推進を任せました。これは、制度的な金融システムへの志向を示す動きです。
3月24日の発表は、その努力が正式契約に向けて進展した最も具体的な証拠です。テザーはこの監査を、従来のアテステーションを超える「一歩進んだ」ものと位置付けており、業界の透明性基準が向上していることを示しています。
大手監査法人がこの作業を引き受けることは、テザーが抱える「信頼割引」を部分的に緩和する助けとなる可能性がありますが、一方で、監査の範囲、方法、独立性に関する疑問も生じます。それでも、この動きは、テザーが機関投資家の信頼を取り戻し、伝統的な金融システムとの協力を拡大しようとする明確な意志を示しています。