CMEグループは、世界最大のデリバティブ取引所運営者であり、9日(現地時間)にヘッジファンドに好まれるベーシス取引を簡素化する新商品「Treasury Link」の導入を発表しました。この商品は、米国債の購入と対応する先物のショートポジションを取る現在の複数ステップのプロセスを、単一の電子取引に変換し、コスト削減と両取引間のボラティリティリスクの排除を目指しています。近年、ベーシス取引は急速に拡大していますが、大規模ヘッジファンドによる巨大なレバレッジの使用が論争の的となっており、連邦準備制度理事会は昨年9月時点でそのポジションが8,300億ドルに達したと推定しており、2020年のピークの2倍に上ります。一方、市場の混乱を受けて規制当局はこれらの取引を厳重に監視しています。
Treasury Linkは米国債購入と先物ショート売りを統合
Treasury Linkは、米国債の購入と対応する先物のショートポジションを取る複数ステップのプロセスを、単一の電子取引に変換します。この商品により、両取引を同時に実行できるようになります。CMEグループは、この商品が両取引間のボラティリティリスクを排除し、ブローカーの必要性を減らすと述べています。
2022年9月時点でベーシス取引のポジションは8300億ドルに達した
近年、ベーシス取引は急速に拡大しています。大規模ヘッジファンドは、米国債の価格と対応する先物契約の価格のわずかな差から利益を得るために、時には100倍を超えるレバレッジを用いています。連邦準備制度の推定によると、これらのベッシスポジションは昨年9月時点で8300億ドルに達し、2020年のピークの2倍となっています。これらの取引は、主に少数の大規模ヘッジファンドによって管理されていると報告されています。
2020年3月のパンデミックで急速なポジション解消
ベーシス取引に関わる巨大なレバレッジは、市場に衝撃を与えることがあります。2020年3月のコロナウイルスパンデミックによる世界的な市場崩壊時には、ベーシス取引の急速な解消が米国債市場を揺るがせました。それ以降、規制当局はこれらの取引を厳重に監視しています。ベーシス取引は、地政学的ショックに対して高い感受性を示しています。昨年、ドナルド・トランプ政権が相互関税を発表した際には、ポジションが劇的に解消され、米国10年債利回りは1週間で60ベーシスポイント動きました。
CMEは商品が複合取引リスクを低減すると主張
CMEグループは、この商品導入により市場リスクが低減されると主張しています。同社は、この商品が複合取引に内在するリスクを軽減し、投資家層を拡大させ、市場の価格形成をより効率的にし、両市場間のベーシスを縮小すると説明しています。CMEは、米国債の現物市場と先物市場のスプレッドが拡大した際に、トレーダーが取引により簡単に参加できるようになり、急激なレバレッジ縮小による市場の感染リスクを低減すると述べています。
よくある質問
CMEグループは9日(現地時間)に何を発表しましたか?
CMEグループは、米国債の購入と対応する先物のショートポジションを単一の電子取引に変換する新商品「Treasury Link」の導入を発表しました。
昨年9月時点でのベーシス取引のポジションはどれくらいでしたか?
連邦準備制度の推定によると、昨年9月時点でベーシス取引のポジションは8300億ドルに達し、2020年のピークの2倍となっています。